2017年春 『茶の湯』『茶碗』関連の展覧会4展

最終更新日:2017年8月16日

2017年春、東京国立博物館の『茶の湯』展をはじめ、各所で茶の湯関連の展覧会が開催されています。

それぞれ行きましてレビュー記事も書いているので、詳細は下記リンクから各記事へどうぞ。

もし1展だけ行くのでしたら、もちろん

東京国立博物館『茶の湯』展

へ。
『茶の湯』の歴史を学ぶことが出来る展示内容で、展示も時系列になっています。
中国から入ってきた「茶」が日本でどのように受容され、「佗茶」という日本独自の発展を遂げたのか。
最初は薬として用いられた抹茶。
中国の貴人にならい、中国の茶碗で喫茶をした室町将軍家。
村田珠光、武野紹鴎、千利休らによる「佗茶」の創始。
安土桃山から江戸初期にかけて興隆を迎える茶の湯と、芸術作品としての茶碗、そして個人陶芸家の出現。
明治以降衰退した茶の湯を支え、今日まで繋いだ「数寄者」と呼ばれる人たち。

国宝4碗、重要文化財20碗以上の茶碗、名椀のみならず「茶の湯」に関わる名品の数々。

超一級の名品を直接鑑賞しながら、茶の湯の歴史を知ることができる展覧会です。

茶の湯や陶芸をまったく知らない人にもよく知っている人にもおすすめ。

一楽二萩三唐津」という言葉があります。
出光美術館の『茶の湯のうつわー和漢の世界』では、この言葉とおりの展示があります。
こちらは時系列ではなく、ジャンル別に展示されていて、素人目にも違いがよくわかります。

トーハクの『茶の湯』で興味を持たれた方、もっと知りたいという方にぴったり。
トーハクではなかった「煎茶」の展示もあります。
「煎茶」は抹茶よりも新しく、江戸時代になってから広まりました。
どのご家庭にもあるおなじみの「急須」は、煎茶用の茶道具のひとつです。
京焼のコーナーもあり、野々村仁清の華麗な器も展示されています。

これらの展覧会で『樂焼』『樂茶碗』に興味を持たれた方は、国立近代美術館の「茶碗の中の宇宙 樂家一子相伝の芸術」へ。

佗茶の茶碗としては「樂茶碗」が最高とされています。

樂茶碗が「不連続の連続」と言われる意味を知ることが出来る展覧会です。

樂茶碗は、千利休がおのれの精神を体現する茶碗をつくるため、陶工長次郎に焼かせたのが始まりです。
初代長次郎以降「不連続の連続」当代15代目吉左衛門さんに至るまで続いています。
「茶碗の中の宇宙 樂家一子相伝の芸術」展では、15代それぞれのコーナーを設け、歴代の茶碗をとんでもない数で体験することができます。

ただの茶碗。
しかも樂茶碗というジャンルで、基本的なルールは同じです。
でも、同じものはひとつとしてない。

歴代それぞれの個性もみえます。
伝統を受け継ぎながら革新を続けてきた400年間。
それは、次代16代目へと受け継がれています。

私は特に樂茶碗が好きなので、この展覧会は素晴らしかったです。
会期中もう1回行きます。

茶碗に関する怒濤の3展で疲れたら、畠山記念館でクールダウン。
静かなお庭と展示室。
お抹茶を頂きながらゆっくりできます。

2017年春の茶の湯関連展覧会は、おそらく二度とないボリュームです。
茶の湯、茶碗、陶芸、日本文化、なにか少しでも気になったら、足を運ばれることをおすすめします。

関連記事:茶碗鑑賞の基礎知識

1.基礎:茶碗の種類や名称を豊富な写真で
2.基礎:茶碗鑑賞のポイント、用語集
3.名椀・国宝茶碗一覧
4.名椀・重要文化財の茶碗一覧
5.近代・現代の茶碗
おまけ:国宝と重要文化財に指定された茶碗一覧。観賞用全リストPDFあり
東京都内で茶碗・茶陶の鑑賞ができる美術館・博物館一覧

「茶の湯展」「樂展」に出展される国宝・重要文化財茶碗の全リスト

国宝8点、重要文化財53点のうち、東京国立博物館「茶の湯」展と国立近代美術館「茶碗の中の宇宙 樂家一子相伝の芸術」の両展に出展される茶碗は、国宝4点、重要文化財33点になります。
日本がほこる名椀の半数以上が、この2点に行くだけで鑑賞できます!

国宝と重要文化財の茶碗を全部リストにしました。
PDF化してありますので、必要があればご確認ください。
出展される国宝・重要文化財茶碗リスト

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