山種美術館『川端龍子−超ド級の日本画−展』作品紹介とレビュー

今なお新しい日本画の世界をつくった川端龍子没後50年特別展

最終更新日:2017年8月16日

東京は広尾にある日本画専門の美術館・山種美術館にて『川端龍子−超ド級の日本画−展』開催中!

公式ホームページ

2017年8月20日(日)まで

展示替えは7月24日
展示替えの前期と後期では、違う展覧会じゃないかってくらい展示作品が異なります。

日本画を個人や一部の人が楽しむものから、会場で多くの方が楽しめるものへと変革した「会場芸術」の川端龍子
没後50年経ちましたが、今なお新しい日本画の世界があります。

会場はそれほど広くないですし、大型の作品が多いので、ゆっくり鑑賞しても1時間くらい。
近代日本画のことをまったく知らなくても、充分楽しめる展覧会です。

最近の展覧会ではおなじみ、1作品や1エリアだけ撮影可能を設ける。
山種さんはA4用紙で撮影や撮影した写真のWEBでの使い方まで説明していました。

今回は前期のみ展示のこの作品「真珠」

『川端龍子−超ド級の日本画−展 No.23: 川端龍子《真珠》山種美術館蔵』

川端龍子は、「かわばたりゅうし」と読む男性の日本画家。
1885年(明治18年)〜1966年(昭和41年)。
1894年日清戦争、1904年日露戦争、1937年日中戦争から世界大戦へ、
と、明治から昭和にかけて激動の時代を生きた芸術家です。

特におすすめの作品

個人的に一番目を惹かれた作品。
小さな作品ですが、生命力の躍動が強く伝わってくる。
「虎は千里を駆け千里を戻る」という言い伝えがある。
この作品は、川端龍子の息子が中国へ出征する年に描かれた。
この無事の帰還を願う強い思いが込められている。
技術的にも、相当な技術がないと描けない水墨画
川端龍子『千里虎』1937年、大田区立龍子記念館川端龍子『千里虎』部分


次がこの作品
仏教美術好きというか、文化財好きならすぐにわかる、紺紙金泥経のテイスト。
紺色の絹に金泥で絵を描いていますが、同じ金でもこれだけの色の表現と深みを出せる。
白金、焼金、青金などを使い分けている。
女郎花やススキなどの秋の草花を描く。
円山応挙の『雪松図』を彷彿とさせるような、1枚の絵画に空間と時間までもを表現した優品。
川端龍子『草の実』1931年、大田区立龍子記念館
川端龍子『草の実』部分
川端龍子『草の実』部分川端龍子『草の実』部分

大きな画像

次は日中戦争を題材とした作品。
実際に海軍の偵察機で眺めた中国・廬山の景観を描く。
パイロットは自画像。
「香炉峰」は清少納言が詠んだほど中国や日本で親しまれてきた名所で、飛行機のお腹の下にみえる滝や多層塔に龍子の思いが表れている。
航空機を透明に描くことで、飛行している姿や背景の自然の山の迷彩を表現している。
川端龍子『香炉峰』1939年、大田区立龍子記念館川端龍子『香炉峰』部分 大きな画像

熱心な仏教徒でもある川端龍子が、両界曼荼羅をモチーフに、弱肉強食の世界を描く。
白鷺がドジョウを咥え、すっぽん、鯉、ナマズ、イモリ、そして真っ赤な太陽を描く。
川端龍子『請雨曼荼羅』1929年、大田区立龍子記念館

前期のみ展示作品

川端龍子『慈悲光礼賛「朝」』1918年、東京国立近代美術館

川端龍子『慈悲光礼賛「夕」』1918年、東京国立近代美術館

川端龍子『真珠』1931年、山種美術館『真珠』部分 大きな画像

川端龍子『羽衣』1935年、山種美術館

川端龍子『五鱗』1939年、山種美術館


後期のみ展示作品

川端龍子『八ツ橋』1945年、山種美術館川端龍子『八ツ橋』部分 大きな画像

川端龍子『金閣炎上』1950年、東京国立近代美術館

川端龍子『土』1919年、大田区立龍子記念館

川端龍子『さくら』山種美術館

その他展示作品

川端龍子『月光』1933年、山種美術館

川端龍子『爆弾散華』1945年、大田区立龍子記念館

川端龍子『カーネーション』

川端龍子『牡丹』

川端龍子『夢』1951年、大田区立龍子記念館

川端龍子『龍巻』1933年、大田区立龍子記念館
川端龍子『龍巻』部分


川端龍子『松竹梅』のうち『竹(物語)』1957年、山種美術館


川端龍子『鳴門』1929年、山種美術館
川端龍子『鳴門』部分川端龍子『鳴門』部分 大きな画像

川端龍子『黒潮』1932年、山種美術館

川端龍子『鯉』1930年、山種美術館

川端龍子『火生』1921年、大田区立龍子記念館

川端龍子『十一面観音』1958年、大田区立龍子記念館

川端龍子『鶴鼎図』1935年、山種美術館

川端龍子『百子図』1949年、大田区立龍子記念館

川端龍子『春草図雛屏風』
川端龍子『春草図雛屏風』部分

川端龍子『花の袖』1936年、山種美術館

川端龍子『花と鉋屑』1920年、大田区立龍子記念館


川端龍子『白堊と群青』1962年、東京美術倶楽部


川端龍子『月鱗』


※絵画画像はすべて川端龍子作品。保護期間満了。

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